今月の臨床 産婦人科診療における心のケア
周産期
1.流産, 習慣流産とtender loving care
藤野 敏則
1
,
井上 尚美
1
,
下敷領 須美子
1
,
石走 知子
1
,
下川床 麗
1
,
嶋田 紀膺子
1
,
永田 行博
2
1鹿児島大学医学部保健学科母性・小児看護学
2鹿児島大学医学部産婦人科
pp.156-159
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101074
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はじめに
流産はそのおよそ半数が胎児の染色体異常が原因であり,流産する運命の下に流産したという,いわゆる自然淘汰の考えが適用されることが多い.また,母体の生命の危険もほとんどないことから,医療者側は流産という疾患をあまり重要視していないのが実情であろう.ところが,流産はそれを経験する妊婦(およびその夫)に,医療者が知らないところで(医療者側があまり関心を示さないために),感情的・精神的ダメージを起こすことがある.医療者側と患者側の流産に対する認識にずれが生じうることを医療者側は留意しなければならない.また,流産を繰り返す例においては流産を起こす原因の検索に加えて,特にその心理に対しても細かい配慮が必要である.
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