特集 Controversies in perinatology 2023 新生児編
胃食道逆流がある早産児―EDチューブを使用する
島 孝典
1
,
望月 成隆
1
SHIMA Takanori
1
,
MOCHIZUKI Narutaka
1
1大阪母子医療センター新生児科
pp.75-77
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000752
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はじめに
胃食道逆流(gastroesophageal reflux:GER)はさまざまな要因により胃酸とともに胃の中に入ったミルクなどが食道に逆流し,さまざまな症状を起こすことを指す1)。とくに新生児にとってはその胃の形態からは生理現象であり,吐乳・溢乳もまれではない。しかし,早産児においては逆流に伴う嘔吐や不顕性誤嚥(micro aspiration)により体重増加不良,呼吸状態の悪化を招く可能性があり注意を要する疾患である。現状GERに対する治療は定まっておらず,各施設で増粘ミルクの使用やミルクの投与間隔や投与時間,投与経路の工夫を凝らして対応しているのが現状である。このようにcontroversialな領域だが,本稿では投与経路の工夫として十二指腸チューブ(EDチューブ:elemental diet tube,正式にはtranspyloric tube)の使用に焦点を当てて論じてみたい。
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