特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
出血を伴う胎盤遺残―RPOCに細径硬性子宮鏡が果たす役割
野見山 真理
1
NOMIYAMA Mari
1
1高木病院産婦人科
pp.1741-1743
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000724
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はじめに
胎盤遺残とは,産科婦人科用語集第4版によると,分娩第3期に胎盤が完全に娩出されずに,一部または大部分が子宮腔内に残留するもの,と定義されているが,海外ではRPOC(retained products of conception)は子宮腔内のトロホブラスト遺残,または胎盤遺残と定義され,流産後も含めたより包括的な概念として捉えられている1)。近年,生殖補助医療(ART)妊娠との関連性も報告され,RPOCは増加傾向にある2)。無症状のこともあるが,しばしば異常出血をきたし,子宮内膜炎や子宮腔癒着を併発し,続発性不妊症となるリスクも有する3)。
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