特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
前置癒着胎盤―通常の帝王切開:保存的対処法の工夫
小寺 千聡
1
,
近藤 英治
1
KODERA Chisato
1
,
KONDO Eiji
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科講座
pp.1726-1730
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
前置癒着胎盤は,帝王切開時に大量出血をきたし母体の生命を脅かすおそれがある重篤な産科合併症である。前置癒着胎盤の発症リスクは既往帝王切開分娩の回数に応じて増加することが知られ1),帝王切開率の上昇を背景として,その頻度は増している。前置癒着胎盤の標準治療は子宮全摘術であるが,術前に胎盤の癒着の程度を評価することは容易ではなく,過小評価による術中大量出血や過大評価による不要な子宮摘出が問題となっている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.