特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
骨盤位の外回転術―施行しない
池ノ上 学
1
IKENOUE Satoru
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1696-1697
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000712
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はじめに
骨盤位の経腟分娩では,帝王切開術と比較して周産期死亡率,新生児死亡率,重度の新生児合併症のリスクが有意に高いことが示されている1)。また,WHOが主導した,10万人を対象とした多施設共同研究の前方視的検討でも,骨盤位における選択的帝王切開術が,周産期死亡を有意に減少させるとの結果が示されている2)。現在,世界的な帝王切開率の上昇を背景に,骨盤位の経腟分娩も見直されつつあるものの,これらのエビデンスから,骨盤位において帝王切開率が選択される状況が継続すると予測される3)。
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