特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
骨盤位の外回転術―施行する
長谷川 瑛洋
1
,
佐村 修
1
HASEGAWA Akihiro
1
,
SAMURA Osamu
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
pp.1693-1695
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000711
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はじめに
妊娠中に骨盤位となる割合は,全妊娠の約3~4%といわれている1)。単胎骨盤位妊娠に対しては,わが国では帝王切開術が行われることが多く,分娩時帝王切開率の上昇を招いている。一方で,欧米では外回転術(external cephalic version:ECV)は積極的に推奨されており,骨盤位に対する帝王切開率を減少させることが示されている。しかしECVは母体の腹壁を圧迫するため,母児にさまざまな合併症を及ぼす可能性があり,わが国ではECV実施に対しては慎重に検討している施設が多くみられる。また,産婦人科診療ガイドライン産科編2)においてはECV施行の是非に関してAnswerに記載されていない。ECVのメリットとして,最終的に経腟分娩ができた場合に母児への侵襲が減ること,経腟分娩を希望している妊産婦のバースプランに寄り添うことが可能となり,よりよい分娩体験となることが挙げられるため,ECVを一つのオプションとして提示できることは,妊産婦にとって好ましいと考えられる。
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