今月の臨床 周産期の難題を解く―最新のエビデンスを考慮した解説
妊娠管理
7.骨盤位外回転術の適否は?
竹田 善治
1
,
中林 正雄
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科
pp.1278-1279
発行日 2003年10月10日
Published Date 2003/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100811
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はじめに
2000年のLancet誌1)に,骨盤位の分娩方法として初産・経産を問わず帝王切開術(帝切)が推奨されて以来,骨盤位帝切率は上昇の一途をたどっている.そのため,帝切減少のための解決策として骨盤位分娩そのものを減らす骨盤位外回転術(external cephalic version : ECV)の実施が見直されている.しかしECVには胎盤早期剥離や母児間輸血症候群など母児への危険性が伴うため,その適否には賛否両論2)があり,いまだ解決されていない問題の1つである.
近年,エビデンスに基づいた医療の実践evidence―based medicine(EBM)の概念が広まり,従来の医療の再検討がなされるようになっている.本稿ではエビデンスの質の評価の1つとして米国の医療政策研究局Agency for Health Care Policy and Research(AHCPR)が採用しているタイプ分類3)(表1)にしたがい,最良とされるIa : ランダム化比較試験randomized controlled trial(RCT)のメタアナリシスによる報告を中心として,ECVのもつ問題点について述べる.
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