特集 見て,聞いて,触って,五感で診る新生児の異常とその対応
顔の非対称
増永 健
1
MASUNAGA Ken
1
1東京都立病院機構東京都立大塚病院新生児科
pp.1338-1340
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000344
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はじめに
新生児の顔面を観察することは大切である。新生児の顔面が明らかに非対称である場合,異常所見ととらえる必要がある。本稿では安静時には異常は目立たないが,啼泣時に顔面非対称が顕著になるasymmetric crying facies(ACF)について主に述べる。先天的な部分顔面麻痺として古くから知られていたが,1969年にCaylerが部分顔面麻痺と心奇形を合併した14例をcardiofacial syndromeとして報告した1)。その後1972年にPapeらがACFと命名し2),以後ACFは心疾患以外にもさまざまな先天奇形を合併しやすいことが報告された。
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