特集 知っておくべき周産期・新生児領域の遺伝学的検査を展望する
各論
結合識疾患―Marfan症候群,Loeys-Dietz症候群,Ehlers-Danlos症候群
森崎 裕子
1
MORISAKI Hiroko
1
1榊原記念病院臨床遺伝科
pp.734-737
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000171
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はじめに
Marfan症候群,Loeys-Dietz症候群,Ehlers-Danlos症候群は,いずれも結合組織の先天的異常による疾患である。結合組織は,細胞成分同士を結合し,器官,組織,細胞の隙間を埋め,その構造の支持や弾力性の維持にかかわっている支持組織の一つである。また,その主要成分の一つである細胞外基質(extracellular matrix:ECM)は,構造の支持のみならず,組織の形成・分化や機能恒常性の維持にも重要な役割を果たしていることがわかってきており,ECMの異常は全身性かつ多彩な病変につながる。先天性結合組織異常に関連した疾患は非常に多いが,本稿では,ECMの異常に起因する疾患として,Marfan症候群(MFS),Loeys-Dietz症候群(LDS),Ehlers-Danlos症候群(EDS)を取り上げ,とくに,周産期・新生児領域において注意すべき病態について概説する。
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