特集 知っておくべき周産期・新生児領域の遺伝学的検査を展望する
総論
新生児形態異常のみかた―系統的アプローチ,データベースの活用
大場 大樹
1
OBA Daiju
1
1埼玉県立小児医療センター遺伝科
pp.655-658
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000155
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はじめに
出生した新生児がなんらかの先天異常を有する割合は約5%といわれており,周産期新生児医療の現場では形態異常を診察する機会が多い。形態異常を理解するためには,形態異常の分類,発生学的な機序,所見の捉え方や記載法に関する理解が不可欠である。これらを理解したうえで,所見として捉えた形態異常の組み合わせから背景にある症候群性疾患や遺伝学的要因を検討し診断を行うこととなる。形態異常の原因診断は新生児治療室での治療方針や合併症検索の方針に加え,次子再発を含めた遺伝カウンセリングを検討するうえでも非常に重要である。本稿では,形態異常の考え方,捉え方を「分類」,「診察の仕方(定義と表記)」,「データベースを活用した診断へのアプローチ」の流れで系統的に解説していく。
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