特集 Late preterm・Early termを展望する
各論
新生児編―Late preterm児の予後 生活習慣病リスク
及川 洸輔
1
,
中野 有也
1
OIKAWA Kousuke
1
,
NAKANO Yuya
1
1昭和大学江東豊洲病院新生児科
pp.626-629
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000144
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はじめに
late preterm児とは,在胎期間が34週0日~36週6日で出生した児に対して用いられる用語である。late pretermは正期産に近い早産であるため,出生後に生じるさまざまな疾病リスクが軽視されがちであるが,生後早期には呼吸障害や哺乳不良,黄疸などを生じることが多く,遠隔期においても発達の遅れや神経学的異常の発生率が正期産児より高いことが知られている。近年,DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)学説の立場から,低出生体重児と生活習慣病リスクについて多くの報告がなされているが,低出生体重と早産は混同されることが多く,早産との関係についての情報は相対的に少ない。本稿では早産児,とくにlate preterm児における生活習慣病リスクに焦点をあて,現在までに得られている知見を概説する。
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