特集 Late preterm・Early termを展望する
各論
産科編―多胎児とLate preterm:最適な分娩時期とは? 新生児の合併症の観点から
荒井 博子
1
ARAI Hiroko
1
1東邦大学医療センター大森病院新生児科
pp.534-537
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000121
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はじめに
最適な分娩時期は,母児ともに安全で良好な予後が得られる分娩の時期といえる。すなわち,新生児では胎内での順調な発育や出生後に合併症,後遺症を生じないこと,母体では生命の安全はもちろん,出産後の育児に影響するような分娩時期の不安や恐怖がないこと,そして母子分離期間がなるべく短いことが望ましい。以前,2010~2016年の自施設症例において双胎の至適分娩時期に関する検討を行い,リスクとして早産分娩,不当軽量児(SGA),一絨毛膜二羊膜双胎(MD)であることを検証した1)。当院では2015年11月より双胎間輸血症候群(TTTS)およびselective IUGR(sIUGR)type 2,3の症例において胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)が導入されており,改めて最近5年間の多胎症例について,自施設の成績をもとに新生児合併症の観点から最適な分娩時期について考えたいと思う。
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