特集 Late preterm・Early termを展望する
各論
産科編―多胎児とLate preterm:最適な分娩時期とは? 母体合併症の観点から
山本 亮
1
,
石井 桂介
1
YAMAMOTO Ryo
1
,
ISHII Keisuke
1
1大阪母子医療センター産科
pp.527-529
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000119
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はじめに
多胎妊娠では単胎妊娠に比して,種々の母体合併症のリスクが高いことが知られている。妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)は代表的な母体合併症の一つであるが,単胎における頻度が6.5%であるのに対し,双胎では12.7%,三胎妊娠では20.0%と高率に発症する1)。多胎妊娠における母体の重症合併症について検討した大規模な前方視的コホート研究2)においては,出血・子癎・敗血症・循環不全・呼吸不全などによるICU入院,子癎,輸血・子宮摘出・動脈塞栓療法を要する多量出血,死亡のリスクが単胎妊娠に比して4~5倍であることが示されている(表1)。また胎盤早期剝離も双胎妊娠では単胎妊娠の約2倍の頻度で発生する3)。
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