特集 処置や手術に必要なインフォームド・コンセント
【頭頸部の治療に対するインフォームド・コンセント】
耳下腺・顎下腺の手術
東野 正明
1
Masaaki Higashino
1
1大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
インフォームド・コンセント
,
耳下腺手術
,
顎下腺手術
Keyword:
インフォームド・コンセント
,
耳下腺手術
,
顎下腺手術
pp.561-563
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001589
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
耳下腺の手術では,耳下腺原発の腫瘍の他に耳下腺内リンパ節への転移,神経鞘腫,悪性リンパ腫,MTX関連リンパ増殖性疾患,木村病などさまざまな鑑別診断を想定し,十分な術前診断をしておく必要がある。一方,顎下腺の手術では,悪性腫瘍の可能性が耳下腺よりやや高く,唾石症を伴う慢性顎下腺炎やIgG4関連疾患などの鑑別も要する。腫瘍が疑われた場合には,術前にMRIや造影CTなどの画像評価とともにエコーガイド下に穿刺吸引細胞診(FNAC)を行う。FNACのインフォームド・コンセント(IC)は他稿を参照されたい。しかし,唾液腺原発の腫瘍の組織型が多彩であり,いずれの検査でも組織型の確定診断は容易でない。したがって,筆者は術前ICの際に組織型の断定的な表現は避けるようにしている。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.