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はじめに
嚢胞状リンパ管腫は,幼小児の側頸部に好発し,その多くは無症状に経過するが,時に,巨大な腫瘤となり,呼吸困難,嚥下困難,顔貌変形を呈し,治療が必要となる。治療としては,外科的摘出療法が行われてきているが,再発,さらに副損傷,創傷による顔貌変形,醜形などの合併症を伴うことがある。本疾患が幼小児に好発することから,これら外科的治療の欠点を克服する保存的療法の発展が要望されてきた。1976年,由良ら1)が,Bleomycinによる嚢胞の硬化療法を初めて試みた。しかし,Bleomycinは,薬剤の性質上,肺線維症などの重篤な副作用の可能性があり,幼小児に使用することに抵抗があることは否めない。1986年,萩田ら2)が硬化剤としてOK−432(商品名PicibanilR)を用い,良好な成績を報告している。OK-432は,重篤な副作用を来す可能性は低いとされており,今後,その適用が増加することが予想される。
今回,われわれは,OK-432による硬化療法が著効を示した小児リンパ管腫の症例を経験したので報告する。
Intralesional injection of OK-432 was performed in a patient with cystic hygroma. Hygroma remarkably reduced in size without serious com-plications, and didn't recurr for 8 months. This result suggests that OK-432 therapy for cystic hygroma should be as the first choice rather than surgical extirpation.
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