特集 耳鼻咽喉科と薬の副作用-薬物副作用マニュアル-
【耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が処方する薬物による副作用】
PPI,P-CAB,H2阻害薬など
古川 竜也
1
Tatsuya Furukawa
1
1神戸大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
副作用
,
PPI
,
P-CAB
,
H2阻害薬
Keyword:
副作用
,
PPI
,
P-CAB
,
H2阻害薬
pp.459-461
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001552
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はじめに
PPIに代表される胃酸分泌抑制薬は消化器領域を中心に,幅広く医療現場で用いられている。耳鼻咽喉科領域においても頻用薬といっても過言ではないだろう。当科で特によく用いられる場面として頭頸部癌の化学放射線療法中,長時間手術の周術期,咽喉頭異常感症における診断的治療,LPRD(laryngopharyngeal reflux disease)の治療介入,副腎皮質ステロイド薬やNSAIDsの投与時などが挙げられる。これらの胃酸分泌抑制薬はH2阻害薬が早期にOTC販売され,PPIのOTC化も検討されているように,そもそも安全性が高いことが知られている。これは広く普及した一因であり,一方であまりデメリットを考慮せずに乱用されるケースが多い理由でもあると予想される。広く使われるからこそ,最低限起こり得る副作用は念頭に置いて,必要性を適切に判断することが望ましい。

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