特集 鼻科診療の論点-異なる立場の対話とディベート-
【異なる診療科の立場から】
眼窩壁骨折の対応―眼科医の立場から―
恩田 秀寿
1
Hidetoshi Onda
1
1昭和大学医学部眼科学講座
キーワード:
眼窩壁骨折
,
ポリ-L-乳酸と非焼成ハイドロキシアパタイト(u-HA)
,
上顎洞バルーン
,
HAR%
Keyword:
眼窩壁骨折
,
ポリ-L-乳酸と非焼成ハイドロキシアパタイト(u-HA)
,
上顎洞バルーン
,
HAR%
pp.149-152
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001464
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はじめに
眼窩壁骨折の主な症状は,眼球運動障害に伴う複視と眼球陥凹による整容面の不整である。また副症状として本疾患の10%に眼球内病変が生じるため,骨折と同時に視力障害を生じる可能性もある1)。本来ならば眼科医が本疾患の主治医として全体的な診療を行うのが望ましいが,治療経験のある眼科医は少なく,具体的に眼窩壁骨折診療に十分な知見のある医師は日本眼科学会会員の5%にも満たなく,さらに手術を行える眼科医は極めて少ない。眼窩およびその周囲組織の手術操作が必要となるため,都道府県を超えて眼窩壁骨折専門の眼科医を紹介するよりは,域内の形成外科医,耳鼻咽喉科医に手術を委ねているのが現状である。
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