特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
耳領域
難治性耳性髄液漏の症例
吉田 忠雄
1
Tadao Yoshida
1
1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学耳鼻咽喉科
キーワード:
耳性髄液漏
,
頭蓋底
,
外傷
Keyword:
耳性髄液漏
,
頭蓋底
,
外傷
pp.956-958
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001222
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はじめに
耳性髄液漏あるいは髄液耳漏は,頭蓋底骨欠損部などを介して脳脊髄液が中耳腔へ漏出する病態である。非常に稀な病態であるが,生命を脅かす可能性があり迅速に介入する必要がある。無菌のクモ膜下腔と鼻咽腔の細菌叢が交通することにより,髄膜炎を引き起こす可能性が高い。CSF(spontaneous cerebrospinal fluid)が中耳へ漏れていても,鼓膜穿孔や外耳道の欠損等がない場合には耳管経由で鼻腔へ流出することがあり,髄液鼻漏との鑑別が必要となることがある。
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