連載 症例をどうみるか
局所進行臼後部癌に対して内視鏡操作を導入した1例
長岡 真人
1
,
阿久津 泰伴
1
,
海老原 央
1
,
平山 晴之
2
,
石田 勝大
2
,
大村 和弘
1
,
小島 博己
1
Masato Nagaoka
1
,
Taisuke Akutsu
1
,
Teru Ebihara
1
,
Haruyuki Hirayama
2
,
Katsuhiro Ishida
2
,
Kazuhiro Ohmura
1
,
Hiromi Kojima
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
2東京慈恵会医科大学形成外科学教室
キーワード:
臼後部癌
,
内視鏡手術
,
上顎洞
Keyword:
臼後部癌
,
内視鏡手術
,
上顎洞
pp.677-680
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001119
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はじめに
鼻副鼻腔腫瘍に対する内視鏡下経鼻手術全国調査では多くの施設で内視鏡を導入していることが明らかになった1)。一方,2019年頭頸部悪性腫瘍全国登録では,臼後部癌は口腔癌の1.8%を占める比較的稀な亜部位に位置し,根治治療として手術治療が重要となる。手術は解剖学的複雑性が高く十分な安全域をとって治療をすることは容易ではない。今回われわれは,局所進行臼後部癌に対して上顎亜全摘,下顎区域切除,中咽頭腫瘍上・側壁切除,腓骨皮弁再建,深下腹壁動脈穿通枝皮弁再建を施行した。通常の経口的切除に加え,鼻内内視鏡を併用することで正確に完全切除が可能であった症例を経験したため報告する。
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