発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2001166196
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症例は31歳の女性で,タイに滞在中,上顎洞開放術を施行した.Wegener肉芽腫が疑われ,prednisolone(PSL)50mgからの漸減療法が施行された.経過中,連日40度の発熱を認め,帰国し入院となった.鼻腔内生検の組織所見では肉芽腫様病変が散在に認められた.各種画像診断で,上顎洞,篩骨洞,蝶型骨洞骨壁に沿って軟部組織陰影を認め,眼窩尖に骨破壊像が認められた.ステロイドパルス療法の2回目を施行中,左眼窩の腫脹が増悪し,左眼失明,眼窩先端症候群と診断された.抗好中球抗体(C-ANCA)は陰性であった.この時点で経静脈CyAパルス療法を開始した.第37病日,胸部X線像で孤立性腫瘤性病変が出現した.肺結核も疑われたため,抗結核薬3剤を併用し,同時にPSLを漸減した.第53日左眼眼筋炎を発症,抗生物質の投与で沈静化した.第118病日肺の病変は縮小,消退し,Wegener肉芽腫を疑いINH単剤投与に切り替えた.CyAパルス療法6クール終了時には病変はほぼ消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2001