連載 症例をどうみるか
局所進行外耳道癌に対して導入化学療法後放射線治療が著効した1例
竹下 直宏
1
,
阿久津 泰伴
1
,
黒柳 拓樹
1
,
森下 洋平
1
,
長岡 真人
1
Naohiro Takeshita
1
,
Taisuke Akutsu
1
,
Hiroki Kuroyanagi
1
,
Yohei Morishita
1
,
Masato Nagaoka
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
キーワード:
外耳道癌
,
導入化学療法
,
PCE療法
Keyword:
外耳道癌
,
導入化学療法
,
PCE療法
pp.1309-1311
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000819
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はじめに
外耳道癌の頻度は低く,100万人に1人とされている。その90%は扁平上皮癌であり,残りを腺様囊胞癌や腺癌などが占める。外耳道癌はその稀少性から標準治療が確立されていないが,手術中心の治療が選択されることが多い。しかし手術は,侵襲や機能障害および外見の醜貌など患者への負担が多く,また解剖学的複雑性から十分な安全域をとって治療することは容易ではない。導入化学療法は頭頸部進行癌に対する機能温存治療として広く行われ,主に上咽頭癌,中咽頭癌,下咽頭癌,喉頭癌において推奨されている。外耳道癌における導入化学療法のエビデンスは症例報告に限られるが,機能温存や化学放射線治療への上乗せ効果として期待される。
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