特集 耳鼻咽喉科領域のセラピストとエンジニア―ST,OT,PT,CE,MT―
耳鼻咽喉科と各医療専門職
言語聴覚士 発声障害
金子 真美
1
Mami Kaneko
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
言語聴覚士
,
発声障害
,
音声治療
,
呼気
,
共鳴
Keyword:
言語聴覚士
,
発声障害
,
音声治療
,
呼気
,
共鳴
pp.615-617
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001103
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はじめに
声は多彩である。音声障害治療においては主訴とする音声障害が患者にとってどのように作用しているのかを科学的に理解することが重要である。そのためにはまず,発声のメカニズムをよく理解することが肝要である。発声は呼吸,声帯振動,共鳴腔から生成される。発声は呼気が駆動力となり声帯を振動させ,そこで発生した喉頭原音が共鳴腔で修飾され,声質・音色が形成される。これらの産物が響きのある声になるが,この一連の流れが破綻すると声の機能的問題を呈し,この声の機能的問題に対処するのが音声治療である。つまり音声は声帯の状態だけでなく,呼気や声道を含めた理解が必要である。
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