連載 認知症者・家族をさまざまな観点や立場から支えるコミュニケーションスキル・第12回
言語聴覚士の立場から
飯干 紀代子
1
Kiyoko Iiboshi
1
1志學館大学
キーワード:
認知症
,
コミュニケーション
,
難聴
,
記憶障害
,
言語聴覚士
Keyword:
認知症
,
コミュニケーション
,
難聴
,
記憶障害
,
言語聴覚士
pp.861-866
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203191
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はじめに
コミュニケーションとは,人と人が,伝えたい情報や感情を,言葉などを使って交換・共有することを指す.家族,友人,地域など,社会を形成しながら暮らす私たちにとって,コミュニケーションは欠くことのできない基本的な活動である.赤ちゃんから超高齢者まで,私たちは日々,何らかの形でコミュニケーションをとっている.そして,たとえ認知症になったとしても,コミュニケーションの大切さは変わらない.むしろ,人生の集大成の時期という点で,認知症の人にも心温かい適切なコミュニケーションが保証されることは,人の尊厳の根幹にかかわるとも言えよう.
本稿では,言語聴覚士の立場から,認知症の人とのコミュニケーションスキルについて,① スピーチチェインを用いた分析,② 難聴に配慮したかかわり方,③ 記憶力低下に配慮したかかわり方,の3点を臨床的な視点から具体的に紹介する.
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