特集 手術をしない音声・構音・言語の治療
音声障害の治療
病態に応じた対応―機能性発声障害
小川 真
1
Makoto Ogawa
1
1大阪市立総合医療センター小児耳鼻咽喉科
キーワード:
音声治療
,
MTD
,
過緊張
,
音声酷使
,
胃食道逆流
,
心因性
Keyword:
音声治療
,
MTD
,
過緊張
,
音声酷使
,
胃食道逆流
,
心因性
pp.493-498
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000555
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はじめに
機能性発声(音声)障害は「音声に異常を認めるにもかかわらず,声帯に原因となる器質的異常をみとめないもの」と定義される1)。また近年は,発声時の筋緊張の不適切な調節により音声に異常を生じる筋緊張性音声障害(muscle tension dysphonia:MTD)2,3)とも呼ばれる。しかしながら,MTDの用語は,機能性発声障害全体を指す場合,機能性発声障害の中の特に過緊張性発声障害を指す場合,および,内転型の過緊張性発声障害(後述)のみを指す場合があるため,注意が必要となる。
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