特集 耳鼻咽喉科領域のセラピストとエンジニア―ST,OT,PT,CE,MT―
耳鼻咽喉科と各医療専門職
言語聴覚士 成人聴覚障害
鈴木 大介
1
Daisuke Suzuki
1
1済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科
キーワード:
言語聴覚士
,
成人
,
聴覚障害
,
補聴器
,
業務
Keyword:
言語聴覚士
,
成人
,
聴覚障害
,
補聴器
,
業務
pp.601-603
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001098
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日本の成人聴覚障害領域の現状と言語聴覚士の関わり
日本の高齢化率は30%に達しようとしており,モナコに次いで世界第2位の水準にある。高齢難聴者人口は1,500~1,600万人になると推計されており,Lancetに掲載された認知症のリスク因子に関する報告1)をきっかけに,難聴に対する世間の関心は高まりを見せている。成人聴覚障害領域の臨床では,補聴器をはじめとした人工聴覚器の活用がポイントになるが,近年は新しい機器の開発と技術革新が目覚ましい。残存聴力型人工内耳やBAHAなどは健康保険の適用となり,言語聴覚士(speech therapist:ST)が扱う人工聴覚器は年々増加している。機器の種類が増えたことで病態に適した選択がしやすくなったが,適応範囲の広さと活用の簡便さから補聴器が第一選択になることは変わってはいない。
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