特集 新たに注目される頭頸部癌治療
分子標的治療薬
トラスツズマブ
加納 里志
1
Satoshi Kano
1
1北海道大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
頭頸部癌
,
分子標的治療薬
,
トラスツズマブ
,
唾液腺癌
,
HER2
Keyword:
頭頸部癌
,
分子標的治療薬
,
トラスツズマブ
,
唾液腺癌
,
HER2
pp.1359-1362
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000844
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はじめに
唾液腺癌には多彩な病理組織型が存在し,その悪性度もさまざまである。しかし,その希少性のため発がんメカニズムの解明および治療薬の開発が進まず,再発転移例に対しては病理組織型に関わらず殺細胞性抗がん薬を中心とした薬物治療が行われてきた。ところが,近年,唾液腺癌の遺伝子異常の解明が飛躍的に進み,さまざまな病理組織型に対して特異的な遺伝子異常が明らかになった。その内の1つとして,唾液腺導管癌(SDC),多形腺腫由来癌(CXPA),腺癌NOSといった悪性度の高い組織型において,ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)の遺伝子増幅,タンパク質発現の亢進が報告され,さらに治療標的分子として注目されるようになった。
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