副鼻腔真菌症

はじめに

　副鼻腔真菌症は，耳鼻咽喉科領域において代表的な真菌症の1つであり，鼻呼吸に伴い鼻副鼻腔内に真菌が侵入し，真菌により副鼻腔炎を引き起こし真菌性副鼻腔炎とも呼ばれる。副鼻腔真菌症は，周囲組織への浸潤を伴い重篤な症状を認める浸潤性と周囲組織への浸潤を認めず，軽症な症状を認める非浸潤性に大別される^1）。それらは，さらに急性浸潤性，慢性浸潤性，慢性非浸潤性（以下mycetomaとする），アレルギー性真菌性副鼻腔炎（allergic fungal rhinosinusitis，以下AFRSとする）の4つの病態に分類される。