特集 薬にまつわる疑問に答える
薬にまつわる疑問
8.投与量
ステロイド内服は朝食後投与が基本ですが,分服せねばならないのはどのくらいの量からでしょうか?
池田 賢二
1
Kenji Ikeda
1
1大阪大学大学院薬学研究科医療薬学分野
キーワード:
ステロイド
,
分割投与
,
サーカディアンリズム
Keyword:
ステロイド
,
分割投与
,
サーカディアンリズム
pp.1059-1061
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000268
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はじめに
薬物療法においてステロイドとは,一般に副腎皮質ホルモンである糖質(グルコ)コルチコイドを指す。また,薬価基準収載医薬品コードの上4桁で表される医療用医薬品の薬効分類番号での内服薬ステロイドは,主に2452コルチゾン系製剤,2454フッ素付加副腎皮質ホルモン製剤,2456プレドニゾロン系製剤に該当する。生体内物質ではコルチゾールに相当し,一般的な健常人のコルチゾールは,1日総分泌量約20mg,1日の高い時で血中濃度約120ng/mL程度である。サーカディアンリズムと呼ばれる日内リズムでは,生体内コルチゾールの血中濃度は通常朝に高くなり,昼間業務と夜間業務を繰り返す職業ではリズムの一定性が崩れることがある。例えば,看護師の深夜勤務が2日連続すると勤務前の血中コルチゾール濃度は,正常サーカディアンリズム時の濃度よりも高くなると報告されている1)。
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