私と音声言語医学―超高速度デジタル撮影法を中心として―

はじめに

　私が医師になったのが1963年，大学紛争がたけなわのころである。以来，60年余にわたり耳鼻咽喉科，中でも音声言語医学にかかわってきたことになる。その動機とエネルギーは何であったのだろうか。20年間勤務した国際医療福祉大学の職を辞し音声言語障害の臨床の現場から引退した，この時期に振り返ってみた。