連載 外来診療に役立つ機器・材料・薬剤
心身症評価のためのアンケート法による心理尺度の測定と評価法に使用するキット
細谷 誠
1
Makoto Hosoya
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
心身症
,
HADS
,
STAI
,
BDI-Ⅱ
Keyword:
心身症
,
HADS
,
STAI
,
BDI-Ⅱ
pp.919-921
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000232
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はじめに
心身症とは,「身体症状・身体疾患において,その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し,器質的・機能的障害が認められる病態」であり,その発症には心理社会的ストレスが大きな影響を与える。耳鼻咽喉科外来における日常診療においてよく遭遇する耳鳴や聴覚過敏,めまい,咽喉頭異常感などの症状にも心身症は密接に関わり,耳鼻咽喉科外来患者の約20%が心身症であると考えられたという報告もある1)。耳鼻咽喉科の日常臨床で行われる身体所見や通常の検査では,心理社会的ストレスを評価することは困難であるため,これら諸症状の背後に存在する心理社会的ストレスの評価には通常とは異なる方法を考えなくてはいけない。もちろん,注意深い問診により患者の訴える症状の背後に存在するストレス状態を把握することは可能であるが,日常診療の中でより簡易にかつ客観的に評価するためにはアンケート法による評価が有効である。
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