特集 悪性か? 良性か? 開業医のためのがんの見つけ方
症状・所見からのアプローチ
嗄声・喉頭病変―がん,白板症などの鑑別
甲能 武幸
1
Takeyuki Kono
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
嗄声
,
声帯白板症
,
喉頭内視鏡
,
喉頭ストロボスコピー
Keyword:
嗄声
,
声帯白板症
,
喉頭内視鏡
,
喉頭ストロボスコピー
pp.883-886
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000223
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はじめに
嗄声を主訴とする喉頭病変の中には,声帯に腫瘍などの器質的異常を認める症例も多く遭遇する。その中でも,声帯粘膜に白色病変を生じる白板症は,炎症性病変や悪性腫瘍を含め非常に多彩な原因で生じ,時にその鑑別が困難な場合もある。最終的には病理組織検査にて確定診断されるが,音声に大きく影響する声帯粘膜の組織採取に際しては慎重に行う必要があり,病態が多彩であることを考慮すると,すべての症例において組織検査を行うことは現実的ではない。ゆえに,がんおよび前癌病変を見落とすことなく,外来ベースでいかに効率よく鑑別診断を行えるかということが重要である。
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