Japanese
English
特集 内因性調節因⼦と治療薬による体液量コントロール
トピックス
腎臓病と利尿薬(Ⅱ)水利尿薬の出番
Kidneys and diuretics (II) Clinical indications for aquaretic agents
平和 伸仁
1
HIRAWA Nobuhito
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科
キーワード:
水利尿薬
,
トルバプタン
,
ループ利尿薬
,
低カリウム血症
,
浸透圧
Keyword:
水利尿薬
,
トルバプタン
,
ループ利尿薬
,
低カリウム血症
,
浸透圧
pp.667-672
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002229
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)や心機能低下患者では,適切に体液量のコントロールができない状態になり,高血圧,浮腫,心不全などが生じて,負のループを形成し,腎機能・心機能が低下することが知られている。このような体液量が過剰となった患者には,減塩指導をするとともに,必要に応じて利尿薬を用いて管理することが多い。実臨床で用いられている利尿薬としては,ループ利尿薬,サイアザイド利尿薬,ミネラルコルチコイド拮抗薬やアミロライド感受性上皮型Naチャネル(epithelial sodium channel:ENaC)抑制作用をもつカリウム保持性利尿薬,そして水利尿薬として知られるバソプレシンV2受容体拮抗薬である。多くの薬剤は体液量を減らすことによる降圧作用があり,降圧薬として適用があるものが多いが,V2受容体拮抗薬だけは,降圧薬ではなく,心不全や肝硬変における体液貯留などが適用である。本稿では,腎臓にかかわる病態における水利尿薬の位置づけを,病態生理・メリット・デメリットなどを交えて解説する。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

