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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第3章 泌尿器科疾患
4.腎移植に使われている免疫抑制薬:カルシニューリン阻害薬;シクロスポリン
Immunosuppressants used in kidney transplantation Calcineurin inhibitor:Ciclosporin
武田 朝美
1
Takeda Asami
1
1増子記念病院腎臓内科
キーワード:
腎移植
,
免疫抑制薬
,
カルシニューリン阻害薬
,
腎障害
Keyword:
腎移植
,
免疫抑制薬
,
カルシニューリン阻害薬
,
腎障害
pp.492-496
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002186
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1 はじめに
腎移植医療では,免疫抑制薬の進歩に伴い安定した移植成績を得るとともに免疫学的ハイリスクな腎移植も可能となり増加してきている。現在は多くの免疫抑制薬のなかから選択することが可能となっており,免疫抑制療法の個別化が進んできている。腎移植後の拒絶反応を予防し,副作用や合併症を抑えて長期予後を良好に保つためには,免疫抑制薬の適切な組み合わせが不可欠となる。カルシニューリン阻害薬(calcineurin inhibitor:CNI)であるシクロスポリンが1980年代に登場してから腎移植免疫抑制療法はステロイド+CNI+代謝拮抗薬の3剤使用が主体となり,移植成績を向上させてきた。かつてはシクロスポリンがCNIの第1選択であったが,2000年代以降はより強力かつ予測可能な薬物動態をもつタクロリムスが主流となり,日本国内の使用割合も大きくシフトした。2023年の日本移植学会の登録データ1)では,腎移植導入期にはCNIはほぼ全例に使用されているが,シクロスポリン使用は生体腎移植で3.1%,献腎移植では3.8%といった低頻度であり,特定の症例において選択的に使用されている状況である。

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