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特集 ヘマトネフロロジー
各論:各疾患と腎障害の相互の病態関連と腎障害に対する治療
イムノタクトイド糸球体症の病理と鑑別疾患
Pathology and differential diagnosis of immunotactoid glomerulopathy
三井 亜希子
1
,
清水 章
2
MII Akiko
1
,
SHIMIZU Akira
2
1日本医科大学内分泌代謝・腎臓内科学
2日本医科大学解析人体病理学
キーワード:
organized deposit
,
microtubular structure
,
monoclonal immunoglobulin
,
MGRS
Keyword:
organized deposit
,
microtubular structure
,
monoclonal immunoglobulin
,
MGRS
pp.51-55
発行日 2025年7月25日
Published Date 2025/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001962
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はじめに
イムノタクトイド糸球体症(immunotactoid glomerulopathy:ITG)は,糸球体に非アミロイド性の規則的な微小管状沈着物(microtubular deposit)を認める稀な糸球体疾患である。1980年にSchwartzとLewisによってはじめて報告された1)。これに先立って,1977年には,RosenmannとEliakimが,アミロイドーシスとは異なる非アミロイド性細線維の糸球体沈着を報告しており2),これが細線維性糸球体腎炎(fibrillary glomerulonephritis:FGN)の最初の報告となった。その後,Alpersは,腎組織に沈着するCongo red陰性の線維構造物を,直径15~25 nmの非分岐性細線維を特徴とするFGNと,直径30 nm以上の中空で規則的な微小管構造を特徴とするITGとに明確に区別することを提唱した3)。これにより,両者はアミロイドーシスとは異なる,独立した糸球体沈着症として位置づけられるようになった。

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