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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
VII.各論6:腎不全と腎代替療法(診断と治療)
12.腎臓リハビリテーション
Renal rehabilitation
川口 祐輝
1
,
星野 純一
1
Kawaguchi Yuki
1
,
Hoshino Junichi
1
1東京女子医科大学腎臓内科
キーワード:
exercise therapy
,
frailty
,
protein-energy wasting
,
renal rehabilitation
,
sarcopenia
Keyword:
exercise therapy
,
frailty
,
protein-energy wasting
,
renal rehabilitation
,
sarcopenia
pp.647-653
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001681
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1 はじめに
わが国の保存期慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者数の正確な評価は困難であるが,2015年には1,480万人と推定されており,高齢化とともにさらなる患者数の増加が予想される1)。また,透析患者数は2022年末時点で345,474人であり,平均年齢は69.87歳と報告されており,透析患者の高齢化も進行している2)。CKD患者ではフレイルが多いといわれており,その発生率は糸球体濾過率の低下とともに上昇し,入院リスクや死亡率とも関連する3)。運動不足はフレイルを引き起こすだけでなく,CKDの進行や死亡率の増加につながる。従来,CKD患者において腎機能を悪化させないため,安静が治療の1つと考えられていたが,むしろ適度な運動を続けることで,腎機能への悪影響を及ぼさず,運動耐容能や生活の質の向上,糖・脂質代謝の改善,心血管疾患の予防などの利点を得られることがわかってきた。腎臓リハビリテーションは,腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させ,症状を調整し,生命予後を改善し,心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的として,運動療法,食事療法と水分管理,薬物療法,教育,精神・心理的サポートなどを行う,長期にわたる包括的なプログラムである4)。
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