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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
IV.各論3:尿細管・間質性疾患(診断と治療)
10.腎性低尿酸血症
Renal hypouricemia
中山 昌喜
1
,
松尾 洋孝
1
,
四ノ宮 成祥
2
Nakayama Akiyoshi
1
,
Matsuo Hirotaka
1
,
Shinomiya Nariyoshi
2
1防衛医科大学校分子生体制御学講座
2防衛医科大学校前学校長
キーワード:
腎性低尿酸血症
,
運動後急性腎障害
,
尿路結石
,
尿酸輸送体(尿酸トランスポーター)
,
尿酸異常症
Keyword:
腎性低尿酸血症
,
運動後急性腎障害
,
尿路結石
,
尿酸輸送体(尿酸トランスポーター)
,
尿酸異常症
pp.331-335
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001624
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1 はじめに
1 腎性低尿酸血症とは
腎性低尿酸血症(renal hypouricemia:RHUC)は,腎臓における尿酸の再吸収不全を原因とする単一遺伝子疾患である。世界的には稀少疾患であるが,例外的に日本人には多く,人口の0.3%程度に存在するとされている1)。RHUCは,腎臓の近位尿細管に存在する尿酸再吸収輸送体における機能消失型遺伝子変異により引き起こされることが判明している(図1)。これまで2つの病型が知られており,URAT1/SLC22A12遺伝子の機能消失型変異2)により引き起こされるRHUCは「腎性低尿酸血症1型」(RHUC type 1:RHUC1),GLUT9/SLC2A9遺伝子の機能消失型変異3)により引き起こされるRHUCは「腎性低尿酸血症2型」(RHUC type 2:RHUC2)と呼ばれる。日本人では圧倒的にW258X変異あるいはR90H変異によるRHUC1が多い。
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