Japanese
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特集 AIことはじめ
AI関連技術の発展と医学への応用
治療アプリの社会実装:保険適用までの道のり
The social implementation of digital therapeutics:the path to insurance coverage
阿河 光治
1
,
佐竹 晃太
1
AGA Mitsuharu
1
,
SATAKE Kohta
1
1株式会社CureApp
キーワード:
治療アプリ
,
digital therapeutics
,
高血圧治療補助アプリ
Keyword:
治療アプリ
,
digital therapeutics
,
高血圧治療補助アプリ
pp.572-576
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001501
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はじめに
2023年6月に閣議決定された規制改革実施計画では「プログラム医療機器(SaMD)等の開発・市場投入の促進」が盛り込まれ,治療アプリを含むプログラム医療機器の承認制度や償還価格の評価方法が大きく見直されようとしている1)。これまでプログラム医療機器は,ハードウエア医療機器や医薬品と同様の枠組みで薬事承認や保険適用が行われていた。治療アプリには,ハードウエア医療機器や医薬品と比較して人体へのリスクが少なく企画開発サイクルが短いといったメリットがあるが,これらの利点が現状では十分に生かしきれていない。その結果,2024年6月現在,わが国で保険適用となり処方可能な治療アプリは2つにとどまっており,これは米国やドイツと比較すると少ない状況である2)。今後制度の見直しが進むなかで,二段階承認や選定療養の活用などが行われ,治療アプリを社会実装するハードルが下がると考えられる。本稿では,ハードウエア医療機器や医薬品と同様の古典的プロセスを経て保険適用となった治療アプリに関して記述し,治療アプリ保険適用の「現在地」を概観する。
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