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特集 腎臓リハビリテーション up to date
各論
運動による身体効果:最新の話題
生活習慣病に対する治療アプリの実際
Digital therapeutics for hypertension and chronic diseases
野村 章洋
1,2
NOMURA Akihiro
1,2
1金沢大学融合研究域融合科学系
2金沢大学附属病院循環器内科
キーワード:
デジタル療法
,
治療アプリ
,
検証試験
,
費用対効果
Keyword:
デジタル療法
,
治療アプリ
,
検証試験
,
費用対効果
pp.225-229
発行日 2025年2月25日
Published Date 2025/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001781
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はじめに
慢性腎臓病の発症と進行に関与する生活習慣病のうち,高血圧の治療を補助するスマートフォンアプリ“CureApp HT”が2022年に日本において薬事承認・保険収載されて以降,高血圧の治療に「デジタル療法(digital therapeutics:DTx)」という選択肢が加わった。デジタル療法とは,WHOが2018年に提唱した「デジタルヘルス介入(Digital Health Interventions:DHI)」という概念の一種である1)。これはデジタル機器を介した教育的な情報の提供,個人健康情報(personal health record:PHR)の確認,ならびに人間等が行う対話型コーチングなどを組み合わせることで,特定の病気を有する患者に対して治療を提供するソフトウエアによる新しい治療法を指す2)。また,スマートフォンをはじめとしたデジタル端末に専用のソフトウエアをインストールし,治療を提供するデジタル療法を特に「治療アプリ」と呼ぶ3)。デジタル療法は,これまで主に医療機関で提供されてきた従来型医療と比較して,モバイル端末を介することで,患者の日常生活のさなかにおいても治療介入ができる点が特徴的である。2024年11月現在,日本において薬事承認済みのデジタル療法は3製品であり,CureApp SC(禁煙治療補助アプリシステム),CureApp HT(高血圧治療補助アプリ),そしてサスメドMed CBT-i(不眠障害治療用アプリ)である。今回はこのうち,高血圧治療補助アプリについて述べる。

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