特集 アディクション支援のフロントライン
アプリを用いた飲酒量低減治療の研究開発と社会実装
宋 龍平
1
1岡山県精神科医療センター
pp.156-161
発行日 2025年6月5日
Published Date 2025/6/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt51070156
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Ⅰ はじめに
アルコールは,男性の7人に1人,女性の13人に1人の死亡に寄与するとされ,アルコール依存症はアルコール関連の疾病負担の71%を占める(Roerecke & Rehm,2013)。死亡率を減少させる効果的な治療法は存在するが,世界中でアルコール依存症患者のうち専門的な治療を受けている割合は5人に1人未満にすぎない(Mekonen et al.,2021)。日本においてもアルコール依存症が疑われる人々のうち治療を受けているのは10%未満とされる(Taguchi et al.,2014)。この治療ギャップを埋め,発症から治療までの時間を短縮することは,アルコール依存症支援における重要な課題となっている。

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