Japanese
English
特集 補体と腎疾患:温故知新
補体系の基本的な理解のために
補体が関連する腎疾患の腎病理
Renal pathology of complement-related kidney diseases
井藤 奈央子
1
ITO Naoko
1
1東京女子医科大学病理診断学
キーワード:
腎病理
,
補体
,
蛍光抗体法
,
沈着
Keyword:
腎病理
,
補体
,
蛍光抗体法
,
沈着
pp.56-62
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001393
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
補体系は非常に多くの腎疾患の病態に関与している1)。補体系の過剰活性化を背景とするC3腎症のほか,IgA腎症や膜性腎症,ループス腎炎などの免疫複合体関連糸球体疾患はもとより,近年では巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)や糖尿病性腎症においても,補体系の病態への関与が明らかにされつつある。これらの腎疾患における補体系の関与を病理学的に正しく評価することは,将来的には標的薬による治療や腎予後の改善につながる可能性がある。本稿では,腎病理所見からどのように補体系の活性化を捉えるかについて,総論的に概説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.