Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅱ.糸球体疾患
7.先天性ネフローゼ症候群
Congenital nephrotic syndrome
財津 亜友子
1
,
濱崎 祐子
2
Zaitsu Ayuko
1
,
Hamasaki Yuko
2
1雪の聖母会 聖マリア病院小児科
2東邦大学医学部腎臓学講座
キーワード:
フィンランド型
,
NPHS1
,
nephrin
,
ネフローゼ
,
腎不全
Keyword:
フィンランド型
,
NPHS1
,
nephrin
,
ネフローゼ
,
腎不全
pp.64-66
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000997
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1 病因・病態
生後3カ月以内に発症するネフローゼ症候群を先天性ネフローゼ症候群(congenital nephrotic syndrome:CNS)1)という。フィンランド型(congenital nephrotic syndrome of the Finnish type:CNF)は代表的な疾患であり,本稿ではCNFを中心に述べる。1998年に同定されたNPHS1が責任遺伝子で,19番染色体(19q13.1)に座位をもち,常染色体劣性遺伝形式をとる。その遺伝子産物であるnephrinはスリット膜の主要な構成分子であり,nephrin変異によるスリット膜の欠失が糸球体濾過機構の破綻をきたし,CNFを起こす2)。典型的な基本病態を図3)に示す。
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