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第32回腎と妊娠研究会 【特別講演】
妊娠高血圧症候群:その病態と臨床管理上の実際と問題点
Hypertensive disorders of pregnancy:the pathogenesis, practice of clinical management and its problems
山崎 峰夫
1
YAMASAKI Mineo
1
1医療法人社団純心会 パルモア病院
キーワード:
分娩時高血圧
,
カルシウム
,
マグネシウム
,
産褥子癇
,
原発性アルドステロン症
Keyword:
分娩時高血圧
,
カルシウム
,
マグネシウム
,
産褥子癇
,
原発性アルドステロン症
pp.669-673
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000962
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はじめに
妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)は,母体や児あるいはその双方に重篤な病態をきたしうる疾患で,発展途上国においては今も母体死亡の主要原因の1つである。子癇はその最重症型であり,すでに紀元前の古代文献に記載されているが,その本態は長く不明で,17世紀末より2世紀を経て旧来の「妊娠中毒症」との疾患概念が確立した。さらに,1970年代以降は研究進展により高血圧が病態の中心であると判明し,わが国では2005年に妊娠高血圧症候群の病名で新たな定義分類が採択,2018年にはそれが改訂され現在に至っている。かつて「学説の疾患」といわれた本疾患の病因論は,2 steps disorder theoryの登場で大きく進化し,それにもとづいた予知,早期診断,治療に関する研究が急速に進歩している。一方で,臨床現場では患者管理上留意すべき点が多く残っており,それらを紹介したい。
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