特集 高血圧を再考する:注目点とこれからの診療
内分泌性高血圧の現在と未来
市原 淳弘
1
1東京女子医科大学高血圧・内分泌内科主任教授
キーワード:
原発性アルドステロン症
,
クッシング症候群
,
褐色細胞腫
,
肥満
,
睡眠
Keyword:
原発性アルドステロン症
,
クッシング症候群
,
褐色細胞腫
,
肥満
,
睡眠
pp.37-41
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.08_0037-0041
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「はじめに」地球上に生物が誕生し複数の臓器をもった哺乳動物に進化する過程で,生物には循環器系が備わった。生物を構成する1つひとつの細胞がその生命を維持するには,全身に満遍なく酸素と栄養を届けるとともに細胞から老廃物を回収する血流システムが必要であり,循環器系が形成された。循環器系においては,心臓というポンプによって押し出された血液の塊(血液量)が,抵抗血管内を進む際に血圧が生じ,血圧によってまた血液が全身の末梢組織にいきわたる。したがって,生物が生命を維持するためには,血液量と血管抵抗を調節して血圧を一定に保つことで全身を循環する血流を維持する必要がある。血圧調節に必須な血液量の調節は主に腎臓が担い,血管抵抗の調節は主に脳などの中枢神経系が担っている。内分泌系は腎臓や中枢神経系に働いて血圧調節を修飾する最重要な修飾因子であり,内分泌系の異常は二次性に高血圧を引き起こす。「KEY WORDS」原発性アルドステロン症,クッシング症候群,褐色細胞腫,肥満,睡眠
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