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特集 新型コロナウイルス感染症の検証―腎疾患診療を中心に
コロナ禍での腎疾患診療
地域で透析患者を守る医療連携
Community collaborative healthcare for patients with dialysis
田蒔 昌憲
1
TAMAKI Masanori
1
1徳島大学病院腎臓内科
キーワード:
地域包括ケアシステム
,
医療連携
,
罹患予防
,
感染患者の治療
Keyword:
地域包括ケアシステム
,
医療連携
,
罹患予防
,
感染患者の治療
pp.473-476
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000911
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Ⅰ 透析患者の高齢化・要介護の高さと連携の必要性
わが国における慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の患者数は約1,300万人に及び1),透析患者数も毎年増加している2)。わが国における慢性透析療法患者の平均年齢は69.67歳であり,導入患者の最多年齢層は男性が70~74歳で,女性は80~84歳であった2)ことから,高齢化が進んでいることが読み取れる。また,要介護認定されている透析患者の家族介護者とケアマネージャーを対象としたアンケートに基づいた統計によると,透析患者の要介護度は要介護2が32.6%と最も多く,要介護3以上の患者は44.3%であった3)。同年度の統計にて一般人口では要介護1が19.7%と最も多く,要介護3以上が34.8%であったこと4)と比較すると,透析患者では一般人口と比較して要介護度の高い患者が多い。また,要介護・要支援認定の透析患者では34.3%が認知機能障害を有していた3)。つまり,透析患者は高齢かつ要介護度が高い場合が多く,医療連携を含む地域単位での連携が重要であることは明白である。
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