Japanese
English
特集 CKD-MBDの新しい潮流
CKD-MBD治療
現行治療の死亡・骨折予防効果と課題 保存期
Management of CKD-MBD and its impact on survival and fracture risk in patients with non-dialysis-dependent CKD
藤井 直彦
1
FUJII Naohiko
1
1兵庫県立西宮病院腎疾患総合医療センター
キーワード:
保存期CKD-MBD
,
食事によるリン制限
,
リン吸着薬
,
活性化ビタミンD
,
マグネシウム製剤
Keyword:
保存期CKD-MBD
,
食事によるリン制限
,
リン吸着薬
,
活性化ビタミンD
,
マグネシウム製剤
pp.340-344
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000878
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はじめに
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder:CKD-MBD)という概念は当初透析期において打ち立てられたものであったが,血管石灰化病変や高リン血症をはじめとする各種ミネラル代謝異常が透析導入時にはすでに顕在化していることから,その病態の萌芽は保存期にあると考えられるようになり,近年保存期におけるCKD-MBDの管理が注目されるようになってきている。CKD-MBDの代表的な要素である電解質異常については,さまざまな観察研究によって示されているが,リン利尿因子である線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23:FGF23)の発見は,その病態の理解のうえで大きなブレークスルーとなった。これに伴い,それまでのビタミンDの活性化障害が根底にあるとするカルシウム代謝を軸とした考え方から,リン排泄の低下が根底にあるとするリン代謝を軸とした考え方にパラダイムシフトが起こり,それにあわせて,治療の中心も活性型ビタミンD製剤から,リン吸着薬を主軸としたものに移行してきている。その動きは特に透析期で顕著であるが,透析期で得られた知見をそのまま保存期に外挿することは不適切である。
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