特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第11章:腎 臓
透析患者の高リン血症はたんぱく質の過剰摂取だけが原因ではない
花房 規男
1
1東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
CKD-MBD
,
リン吸着薬
,
無機リン
,
アドヒアランス
Keyword:
CKD-MBD
,
リン吸着薬
,
無機リン
,
アドヒアランス
pp.743-745
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_743
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CKD-MBD
透析患者をはじめとする慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者では,骨・ミネラル代謝異常を呈することが多い.リン,カルシウム,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)といった検査値の異常,血管や心臓の弁の石灰化などの異所性石灰化,腎性骨症といわれる骨の異常の三つがこうした骨・ミネラル代謝異常の徴候であり,いずれも生命予後や骨折,心血管合併症などと深い関連があるため,これらをまとめて慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-mineral and bone disorder:CKD-MBD)という概念が提唱されている1).このCKD-MBDのなかで,血清リン濃度は介入点として最も重要である.透析患者・CKD患者では,リンの測定は必須となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021