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特集 バスキュラーアクセスUpToDate
トピックス
血流解析からみたシャント評価
Shunt evaluation from blood flow analysis
大高 大
1
OTAKA Dai
1
1株式会社Cardio Flow Design
キーワード:
血流解析
,
CFD
,
WSS
,
4D flow MRI
,
速度分布
,
圧力損失
Keyword:
血流解析
,
CFD
,
WSS
,
4D flow MRI
,
速度分布
,
圧力損失
pp.292-296
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000633
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はじめに
1.シャントの血流解析による評価の有効性
透析シャントは,高圧の動脈と低圧の静脈に流路が人工的に作られることで,自然な循環とは大きく異なった循環動態が形成される。自己血管使用皮下動静脈瘻(AVF)は,末期腎不全患者の血液透析のために最も好ましいバスキュラーアクセスであるといわれる一方で,使用可能な導管に成熟しない一次失敗率が高く(30~70%),1年開存率が低い(40~70%)とされている。開存性を維持するための外科的再介入率が高くなる再発性狭窄を発症する可能性がある。ほかにも閉塞,感染,瘤化,静脈高血圧1),スチール症候群2)などのリスクにつながる可能性がある。しかし,これらのプロセスの根底にある正確なメカニズムはほとんど不明のままであり,バスキュラーアクセス手術によって引き起こされる血行動態環境をさらに調査する必要性が強調されている3,4)。血流解析は,血圧,流量,乱流をはじめとした血流に影響する項目をもとに,こうしたリスクの原因究明を可能としうる技術5)として近年,注目度が高まっている。
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