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増刊号 腎代替療法のすべて
【第10章 腎移植】
2 レシピエント ③手術 2)膵腎同時移植
Simultaneous pancreas and kidney transplantation
剣持 敬
1
Kenmochi Takashi
1
1藤田医科大学医学部移植・再生医学
キーワード:
脳死膵腎同時移植
,
手術術式
,
血管吻合
,
血行再建
,
腸管ドレナージ法
Keyword:
脳死膵腎同時移植
,
手術術式
,
血管吻合
,
血行再建
,
腸管ドレナージ法
pp.651-654
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000519
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はじめに
膵臓移植は1型糖尿病に対する根治療法として1966年にミネソタ大学で第1例目が実施された1)。当初は,他の臓器移植に比較して,グラフト静脈血栓症,膵液瘻,イレウスなどの手術手技による膵グラフト廃絶(technical failure)の頻度が高く,成績が不良であった。しかし,その後,手技の改善,免疫抑制薬の進歩に伴い,現在は腎,肝と同等の成績が得られている。日本でも,2000年4月~2020年末までに,438例の脳死・心停止膵移植が実施されているが,うち368例(84%)は膵腎同時移植である。日本では海外に比べて高齢,脳血管障害が死因,心肺蘇生例を有する,循環動態が不安定なドナーが多く,いわゆるマージナルドナーが70%を占めているにもかかわらず,5年患者生存率93%,膵グラフト5年生着率76.5%と海外に遜色ない良好な成績を示している2)。
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