Japanese
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増刊号 腎代替療法のすべて
【第10章 腎移植】
2 レシピエント ②膵腎同時移植の適応と検査
Indications and examinations for simultaneous pancreas and kidney transplantation
剣持 敬
1
Kenmochi Takashi
1
1藤田医科大学医学部移植・再生医学
キーワード:
膵腎同時移植
,
1型糖尿病
,
心血管系合併症
,
血清C-ペプチド
,
適応
Keyword:
膵腎同時移植
,
1型糖尿病
,
心血管系合併症
,
血清C-ペプチド
,
適応
pp.641-645
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000517
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はじめに
膵臓移植は1966年に世界で初めて実施され1),これまでに50,000例以上が施行されている。日本でも2020年末までに465例(脳死・心停止膵移植:438例,生体膵移植:27例)の膵臓移植が行われている。脳死・心停止膵臓移植438例のうち,368例(84%)は膵腎同時移植であり,51例(12%)が腎移植後膵移植,19例(4%)が膵単独移植である(図1)。日本では海外に比較し,高齢,脳血管障害が死因,心停止エピソードがあるなど,ドナー条件が悪いにもかかわらず,移植後の5年患者生存率は95%,5年移植膵生着率はや80%と良好である。膵臓移植後の合併症としては,移植膵の静脈血栓症が重要で6~7%が移植膵廃絶に至っている。また,移植膵5年生着率をみると,膵腎同時移植では82.8%と良好であるが,腎移植後膵臓移植で53.2%,膵単独移植で33.9%と不良であった2)。
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