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増刊号 腎代替療法のすべて
【第5章 腹膜透析】
4 適切な患者選択とPDモダリティ
The person doing PD and PD modality
井尾 浩章
1
Io Hiroaki
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院腎・高血圧内科
キーワード:
腹膜透析処方
,
quality of life(QOL)
,
小分子溶質除去
,
国際腹膜透析ガイドライン
Keyword:
腹膜透析処方
,
quality of life(QOL)
,
小分子溶質除去
,
国際腹膜透析ガイドライン
pp.369-372
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000461
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はじめに
国際腹膜透析医学会(ISPD)は,2006年に腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)に関するガイドラインを発行し,透析のadequacy(適正)を達成するには,小分子溶質除去が必要であることが示唆されていた。しかし,PDモダリティ(様式や治療手段とでも訳されるであろう)を語るうえで,現状における透析患者の健康指標は特定の毒素の除去だけでなく,多種多様な因子によることが一般に受け入れられている。2020年にISPDより診療勧告ガイドラインが発行され,透析治療は目標指向型の必要性を提案している。透析の治療目標を設定するために,PD患者とケアチームの話し合い(shared decision making:共同意思決定)が含まれ,その目的は,PD患者が自らの人生の目標を達成できるようにすることや,透析チームが質の高い透析ケアを提供できるようにすることにあるとされている。つまり,PDケアの焦点が「適正透析」の達成から「質の高い目標指向型の透析治療」の提供となり,患者の人生目標(life goals)を達成できるために個別化された質の高い透析ケアを実践するよう求められている。本稿では,2019年日本透析医学会腹膜透析ガイドラインと2020年ISPD診療勧告ガイドラインに沿って,PDモダリティについて解説する。
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